肝臓
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胆管消失および網状壊死を伴った抗リン脂質抗体症候群の1剖検例
成山 硬竹下 篤黒川 晃夫辻 厚子安田 恵美松宮 禎介福西 惠一小田 幸作芝山 雄老伊藤 裕啓
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1998 年 39 巻 2 号 p. 102-106

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抄録

症例は64歳, 女性. 既往歴として6回の早流産および左下肢血栓性静脈炎があり, 約25年前にSLE, 約2年前に抗リン脂質抗体症候群と診断された. 全経過を通じて肝機能には著変なく, 黄疸も認められなかった. 剖検時, 肝臓は萎縮しており, 血栓の器質化による肝動脈枝および門脈枝の狭窄, 閉塞, 胆管消失ならびに網状壊死が認められた. 胆管消失の原因は肝動脈枝および門脈枝の狭窄, 閉塞による胆管周囲毛細血管網の血流障害と考えられる. 肝萎縮も肝動脈および門脈の局所的な血流量減少によると考えられる. 胆汁うっ滞が認められないにもかかわらず網状壊死が発生した機序については不明であるが, それについても若干の考察を加えて報告した.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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