肝臓
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HCV感染早期のHCV抗体陰性時期での献血に由来する輸血後C型肝炎の1例
永山 亮造三宅 和彦滝川 一山中 正己田所 憲治高橋 有二
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1998 年 39 巻 2 号 p. 73-76

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抄録
新鮮凍結血漿 (FFP) により感染したと考えられる輸血後C型肝炎例を経験した. 症例は46歳男性. S状結腸癌に対し大腸全摘術を施行後FFPの輸注を行った. FFP輸注後15週目に肝炎を発症した. 手術前陰性であったHCV抗体が陽性化し, HCV-RNAも検出されたためC型急性肝炎と診断した. 肝炎は一過性感染の経過をとった. FFPの供血者7例は献血時にはHCV抗体陰性であったが, 1例からHCV-RNAが検出された. 供血者および患者から検出されたHCVのgenotypeは共に2aであった. この供血者は連続して計3回の献血を行っており, 今回使用した血液は2回目の献血時のものであった. 約1カ月前の1回目献血時にはHCV-RNA, HCV抗体共に陰性, 3カ月後の3回目献血時にはHCV-RNA, HCV抗体共に陽性であった. HCV初感染後HCV抗体陽性化前のいわゆるwindow periodの献血血液を用いることにより感染した輸血後C型肝炎と考えられた.
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© 社団法人 日本肝臓学会
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