肝臓
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C型肝炎ウイルス無症候性キャリアの臨床的, 病理学的検討
東納 重隆日野 邦彦
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1998 年 39 巻 7 号 p. 439-444

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抄録

C型肝炎ウイルス (HCV) 感染者の病態の検討を供血者を対象に実施した. 解析対象は81名であり, 肝生検を実施すると共に, HCV-RNA定量, Genotype判定, 各種HCV抗体価を測定し, 1年以上にわたり定期的なs-ALT値の観察を実施した. その結果, HCV-RNA陽性かつ1年間以上s-ALT値の正常を持続した者が38名存在した. そのうち37名において, 病理学的に炎症像がないか, 極軽微であった. このことより, HCVキャリアの中にはウイルスの存在にも拘わらず, 肝細胞障害を来さない, いわゆる無症候性キャリアが存在することが明らかとなり, HCV無症候性キャリアを1年以上s-ALT値が正常で持続し, 肝組織所見において線維化や炎症所見がないか, 極軽微なものと定義した. 無症候性キャリア群と慢性肝炎群とのウイルス学的検討においては, 非構造領域に対する抗体価 (NS抗体) が前者において有意に低値であり, 両者の鑑別に有用であった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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