抄録
症例は68歳, 女性. 両下肢の浮腫, 腹部膨満と腹壁静脈怒張のため入院となった. 画像診断では, 下大静脈の腫瘍塞栓を伴った高度進行肝細胞癌と診断した. 輸血歴, 飲酒歴なく, 各種肝炎ウイルスマーカー (HBs抗原, HBc抗体, HBVDNA, 第三世代HCV抗体, HCVRNA, HGVRNA) はいずれも陰性で, 自己抗体系の異常も認めず, 組織はCAH mildを呈する原因不明の肝癌例であった. 経過中, 高Ca血症を合併しParaneoplastic syndromeと考えられた. 抗PTHrP抗体を用いた免疫組織化学で癌部に陽性反応を確認した.