抄録
2006年にスピノサド剤およびクロルフェナピル剤に対して感受性低下が確認された施設キュウリのミナミキイロアザミウマ個体群(キュウリ個体群)と,同一施設の次作のナスで採集した本種個体群(ナス個体群)について各種薬剤の殺虫効果をソラマメ葉片浸漬法により調査し,比較検討した。その結果,キュウリ個体群およびナス個体群ともにクロチアニジン剤およびエマメクチン安息香酸塩剤の殺虫効果は高く,イミダクロプリド剤,ジノテフラン剤,アセタミプリド剤のネオニコチノイド系3剤,ピリダリル剤の殺虫効果は認められたが,スピノサド剤およびクロルフェナピル剤の殺虫効果は低かった。両個体群に対する各種薬剤の殺虫効果はチアメトキサム剤を除いてほぼ一致し,両個体群は同じ個体群が発生を繰り返したと推定された。