抄録
キクの重要病害であるキクわい化病の種子伝染について高濃度および低濃度感染株を親株に用いて調査した。種子親が高濃度感染株の実生個体は高濃度感染(++)の割合が34~82%と高く,種子親がフリー株であっても花粉親が高濃度感染株であれば,実生個体の39%が(++)であった。一方,低濃度感染株同士の実生個体では,(++)の割合は6%,種子親がフリー株,花粉親が低濃度感染株の実生個体では0%であった。
CSVdが高濃度に検出された実生個体をCSVdフリー「ピアト」と「セイアイシスピンク」の健全株に接ぎ木接種した結果,2か月後には接種した全ての株からCSVdが検出された。また,「セイアイシスピンク」では,葉の小型化,節間長が短くなる,葉の着生角度が小さくなる等の病徴が現れた。実生個体へ伝染したCSVdはキクへの感染力を保持し,病原性があると確認されたため,CSVdは種子を通じて伝染することが明らかとなった。