関西病虫害研究会報
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原著論文
愛知県におけるケブカノメイガおよびハスモンヨトウの薬剤感受性の差異
平野 忠美子安 英雄
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2013 年 55 巻 p. 51-55

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抄録
東南アジアで野菜の重要害虫であるケブカノメイガがここ数年愛知県でも見られるようになり,25種類の殺虫剤に対する薬剤感受性を卵,3齢幼虫,成虫について調べた。幼虫については20種類の薬剤のLC50 が 10 ppm以下で,高い感受性を示した。特に,エマメクチン,スピネトラムのLC50 はそれぞれ 0.00066 ppm,0.0060 ppmで特異的に高い感受性を示した。また,LC90 と常用濃度を比較したところ,ほとんどの薬剤において常用濃度がLC90 より高かった。
すなわち,これらの薬剤のケブカノメイガに対する高い防除効果を示唆していると思われる。ところが,卵,成虫の薬剤感受性は幼虫より著しく低かった。また,20種の薬剤についてハスモンヨトウの薬剤感受性とを3齢幼虫で比較したところ,ルフェヌロン以外の薬剤に対してケブカノメイガのそれが高かった。これらの結果は,ケブカノメイガはハスモンヨトウに有効な殺虫剤を使用すれば,容易に防除出来ることを示している。
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© 2013 関西病虫害研究会
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