抄録
ブドウではチャノキイロアザミウマが重要害虫であり,減農薬に向けて光反射シートの株元へのマルチによる被害軽減効果が期待される。そこで反射光を得られる垣根仕立て栽培で光反射シートをマルチした場合の果実における被害軽減効果を2008年,2009年に調査した。チャノキイロによる被害が顕著な緑色系品種ネオマスカットについて,新梢生育の開始期4月からの株元への光反射シートをマルチにより,マルチ区での果実の被害程度指数は無処理区よりも少なくなり,殺虫剤カルタップを3回散布した場合の値をやや上回る程度であった。またマルチ区の新梢におけるアザミウマ密度は無処理区に比較して少なく推移し,マルチ区ではアザミウマの発生が抑えられていた。また土着天敵であるコウズケカブリダニはマルチ区でも無処理区と同等に発生していた。このことから垣根仕立て栽培ブドウへの光反射シートのマルチにはチャノキイロの被害抑制効果があり,ブドウの減農薬栽培への活用が今後期待される。