1998 年 48 巻 2 号 p. 53-61
建築構造部材の耐火試験における試験体への熱入力は,炉の構造,燃料,および炉内温度測定用の熱電対の応答特性により異なり,これが耐火試験結果にばらつきをもたらす一因である。本研究においては,炉の内貼り材料が異なる2つの壁炉(セラミック,耐火煉瓦)を,3種類の熱電対(シース熱電対,鋼管入り熱電対,プレート熱電対)により制御して同一の試験体を加熱した時の温度上昇を測定しその差異を分析した。
その結果,熱電対の種類の方が炉の内貼り材料の影響よりも顕著であり,鋼管入り熱電対およびプレート熱電対では,内貼り材料に関わらずほぼ同じ熱流が試験体に加わるが,シース熱電対制御では内貼り材料の違いにより有為な差が生じた。
(オンラインのみ掲載)