本研究では,5ドアハッチバック車を2 台並列させた条件での自動車燃焼実験を実施し,燃焼自動車から隣接自動車への熱流束とその延焼可能性について検討した。着火自動車の右側に同型車種の自動車を並列させ,自動車の離隔距離を変えて,灯油80gとガソリン10gを用いて左前輪タイヤに着火することにより,燃焼実験を開始した。離隔距離80cmでは,隣接自動車に延焼する状況が観測された。離隔距離1mでは,着火自動車の火炎が隣接自動車の左前輪が破裂するなどの焼損が観測されたが,延焼することはなかった。着火自動車の火炎のモデル化により側方放射熱流束を計算したところ,放射熱流束計算値とバンパーの着火特性から予測した延焼可能性は,燃焼実験と一致した。