一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
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歩行における下肢筋活動量と酸素摂取量との関係について
*屋代 彰子石井 春香深町 倫早森 香代子
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p. 68

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抄録

(目的)日常生沽活動は上肢動作および歩行を伴う低強度活動である。上肢動作における筋活動量については不明の点が多く、歩行における筋活動量については多くの報告がある。種々の歩行の活動強度についてはよく知られているが、日常的歩行時の下肢筋放電量とエネルギー消費量との関係については知見が乏しい。そこで、本実験ではこの点を明らかにすることを目的とした。(方法)実験時期:平成14年7月、実験場所:屋内廊下(直線20m)、被験者:健康な女子学生5名、歩行条件:自由歩行・60サイクル/分・70サイクル/分などで10分間歩行、測定筋:右中殿筋・右大腿直筋・右外側腓腹筋・右外側ヒラメ筋、主な測定機器:呼気ガス代謝モニターMeteMaxIIおよび専用解析ソフトMetaSoft、ホルター筋電計ME3000Pおよび専用解析ソフトMegaWinなど。(結果と考察)(1)下肢筋放電量および酸素摂取量について歩行間の比較を行うと、70サイクル歩行と他の歩行との間に統計的有意差を認めた。(2)70サイクル歩行では筋放電量および酸素摂取量の個人差か著しかった。(3)ビデオ映像より歩数、歩幅さらに歩行距離、速度等を求めた。(4)すべての歩行における筋放電量と酸素摂取量との関係では、ヒラメ筋および腓腹筋放電量と酸素摂取量との間に強い正の相関を認めた。(5)歩行連度と筋放電量、歩行速度と酸素摂取量との間にも強い正の相関を認めた。以上の結果より、活動筋におけるエネルギー需要の増加が酸素摂取量の増加と密接に関係していることが判った。

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© 2003 一般社団法人 日本家政学会
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