一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1P-33
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環境負荷軽減のための洗浄の基礎的な検討
*尾畑 納子桑原 宣彰
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抄録

目的環境への負荷を軽減するため,洗剤成分,洗浄方法など様々な工夫がなされ、市場では多様な洗剤や洗濯機が出回っている.特に洗剤では界面活性剤の減量化が進む一方で,生活者のライフスタイルや清潔志向あるいは住環境の変化によって、洗濯に対する意識も変わり,家庭における洗濯頻度が増加しているため,必ずしも環境負荷軽減に至っていない.そこで,本研究では,界面活性剤に頼らない洗浄方法として,洗浄水として電解水と少量の洗剤を組み合わせた系での洗浄性について調べた結果,洗浄性を維持しつつ,環境への負荷量を減少させることができた.そこで,今回はさらに種々の汚れや繊維製品に対する効果を検討した.
方法汚染布として,市販湿式人工汚染布、EMPA汚染布(111,120),wfk汚染布(10D)を用いた.各種pHを調整した電解水(AMANOα900)を洗浄水とし,SDS,ポリオキシエチレンアルキルエーテルを適宜組み合わせ,洗浄試験(ターゴトメータ(120r.p.m))を行った.洗浄性の評価は反射率から算出した.環境への負荷量は洗浄液のCODを測定した.
結果アルカリ電解水のpHを変化させた系で種々の汚染布を洗浄した結果,pHが10.5以上で,界面活性剤が存在しない系でも除去性を示した.特に,複合汚染布に比べ,単純な汚れに対してより顕著であった.これらの結果から,洗濯時にアルカリ電解水を使用することにより界面活性剤をさらに減量化して,環境負荷を軽減させる可能性が示唆される.

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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