【目的】生活環境の様々なにおいに対し、近年では消臭のみでなく香りづけを目的とした製品が数多く開発されている。本研究では、大学生を対象とし、生活環境中のにおいに対する意識およびにおい関連商品の使用実態やその評価を把握することを目的とする。
【方法】近畿圏の共学および女子大生を対象とし、質問紙調査を実施した。講義終了後に調査の主旨を説明し、同意が得られた学生に配布し、その場で記入させ回収した。調査は2011年12月に実施し、共学156部、女子大学126部、計282部の有効回答を得た。
【結果】においに敏感かどうかについては、男子学生に比べ女子学生が敏感と回答する割合が高く、気になるにおいをすぐに消したいと思う割合は、男子・共学女子学生が5約0%、女子大学生が約70%であった。室内空気の汚れやにおいが気になった時の最初の行動については、窓開けや換気をすると回答した学生が約70%であったが、芳香剤・消臭剤を使用するとの回答も10%以上あった。生活臭が気になる割合は、女子大学生が高く、心地よいと感じるにおい環境については、香りがある空間・日常的な生活臭がある空間・無臭の空間に意見が分かれた。近年普及した布製品用除菌・消臭スプレーについては、洗濯・天日干しに対して半分程度の効果と評価する学生が多かった。男子学生・女子学生とも他人のにおいより自分のにおいを気にする割合が高く、衣類に香りを付加したいという割合は全体で約45%程度あった。今後は在宅時間やにおいに対する感受性などの観点からも意識の違いを分析する予定である。