一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 2P-18
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ポスターセッション 5月24日
練りきりの色彩が幼稚園児と大学生の食嗜好性に及ぼす影響
*村上 陽子
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キーワード: 練りきり, 和菓子, , 嗜好性
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抄録

目的 食品の嗜好価値は,味,形,色,香り,テクスチャーなどの化学的・物理的特性によって決定される。一方,現代社会においては,食の色彩は軽視される傾向にある。食における色の効果を大事にしてきた我が国には,和菓子という伝統的な菓子がある。しかし,食生活の洋風化により,和菓子の喫食頻度は減少傾向にあり,食文化の継承という面において懸念すべき状況である。練りきりに代表される茶席の和菓子は,色の配色など色彩に関して繊細な心遣いがなされており,食べる人の食欲に大きな影響を及ぼしていると考えられる。そこで本研究では,幼稚園児および大学生における練りきりの食嗜好性について検討した。
方法 調査対象は,静岡大学教育学部附属幼稚園の年中児・年長児(男子43人,女子45人),および静岡大学教育学部学生(男子56人,女子82人)とした。調査対象者には事前に市販の練りきり(白)を食べてもらい,練りきりの食体験を持った上で調査を行った。練りきりの色相は,「赤・橙・黄・緑・紫・茶・白・黒」の8色相とし,濃淡2種類のトーンを用意した。
結果
幼児では,色の嗜好性に偏りが見られ,男女で相違が見られた。特に女子では赤(薄),男子では紫や無彩色に対する嗜好性が高く,男女とも黄や茶に対する嗜好性が低かった。大学生では幼児のような極端な偏りはみられなかった。いずれの校種・性別においても茶に対する嗜好性は非常に低かった。

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