抄録
外傷性肩関節前方不安定症にみられる関節窩骨欠損とHill-Sachs損傷の関連性を,発生頻度や大きさについて検討した.対象は鏡視下Bankart修復術を施行し,術前3D-CTを撮影していた153肩で,関節窩骨欠損の大きさは正円近似法,Hill-Sachs損傷の長さと幅はHill-Sachs損傷を正面視できる3D-CT像,深さは上腕骨骨軸に垂直となる横断像を用いて測定し,両者の発生頻度と大きさの関連性を調査した.関節窩骨欠損は104肩(68%),Hill-Sachs損傷は113肩(74%)に認め,86肩(56%)で両者が合併していた.Hill-Sachs損傷の長さ,幅,深さはいずれも関節窩骨欠損の大きさとの間に弱い相関性を認めた.さらに,Hill-Sachs損傷の大きさはいずれの項目についても,関節窩骨欠損率20%未満および20%以上の群では0%の群に比べて有意に大きいこともわかった.