抄録
大きな関節窩骨欠損を伴う反復性肩関節前方脱臼症例に,生体内で吸収されず,骨との生着が良好な連通多孔体セラミックを用いた人工骨移植を併用した鏡視下Bankart法を行った.術後2年以上経過した移植骨片の状態について報告する.
(対象および方法)
20%以上の関節窩骨欠損を伴う反復性肩関節前方脱臼に対し人工骨による骨移植術併用鏡視下Bankart法を行ない,術後2年以上経過した8症例である.男性7例女性1例.手術時平均年齢40歳(30-54歳).平均経過観察期間35か月(24-48か月)であった.移植骨の癒合,形態変化を継時的CTで評価した.
(結果)
8例中2例に再発を認めた.2例とも移植骨片は骨癒合を認めたが,再発時に肩甲骨から剥離していた.再発のない6例中6例全例で術後6か月以後で移植骨の吸収を認めた.
(結語)
移植人工骨は再発を防ぐに十分な力学的強度を得ることができず,非再発例では移植骨の吸収を生じた.