抄録
術前の理学所見から,特殊な断裂形態をとる滑液包面反転弁病変(以下EF群)の術前判別の可能性を検討した.対象は術中所見が滑液包面不全断裂であった30例であり,手術時平均年齢は61.2歳であった.術中の断裂形態にてEF群12例と,その他(O群18例)の2群とした.評価項目は術前の疼痛,インピンジメントサイン, painful arc sign,drop arm sign,crepitus,fluid signの有無,自動屈曲 • 外旋 • 内旋可動域とした.統計学的検討はロジスティック回帰分析を使用し,有意確率を0.05未満とした.疼痛の有意確率はp=0.005,オッズ比17.8,fluid signの有意確率はp=0.016,オッズ比7.81であった.EF群の術前理学所見は,疼痛が強くfluid signが多くみられたことから,EF群の術前判別の可能性が示唆された.