2015 年 39 巻 3 号 p. 650-653
上腕骨2 part外科頚骨折に対する骨接合術における成績不良の原因について検討を行ったので報告する.対象は髄内釘を用いて手術を行った17例で,年齢は平均73歳,観察期間は平均22.8ヵ月であった.調査項目は骨癒合の有無,肩関節可動域,合併症,上腕骨頚体角,JOA scoreで,最終観察時の上腕骨頚体角と可動域の相関も調査した.骨癒合は全例に認めた.合併症は内反変形治癒を1例,上腕骨頭壊死を1例に認めた.上腕骨頚体角は平均133°,JOA scoreは平均82.3点であった.上腕骨頚体角と屈曲可動域に有意な相関を認めた(p=0.008).内反変形に伴う上腕骨頚体角の低下は大結節の上方化につながり,屈曲可動域が不良となったと考えた.また患者側の要因として術前に認知症や上肢麻痺がある症例の成績は不良であった.