肩関節
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筋腱疾患
腱板不全断裂を伴う肩関節拘縮例の特徴
松葉 友幸畑 幸彦石垣 範雄中村 恒一加藤 博之
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2015 年 39 巻 3 号 p. 690-692

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抄録

 腱板不全断裂を伴う肩関節拘縮例の臨床上の特徴を明らかにする目的で,初診時の肩関節造影検査で関節面側に棘下筋腱不全断裂を認めた肩関節拘縮例30肩(以下T群)と肩関節拘縮のみの症例30肩(以下C群)とを比較検討した.病歴,臨床所見,関節造影画像上での関節包の大きさを2群間で比較検討し,関節包の大きさと関節可動域との間の相関を調べた.T群は男性,右肩に多かった.関節可動域,徒手筋力,関節包の大きさは2群間に有意差を認めなかった.T群では外転角度のみが関節包との間に相関を認めたが,C群では外転,外転位外旋角度,CTDが関節包の大きさとの間に相関を認めた.肩関節拘縮のみの症例と棘下筋腱不全断裂を伴う肩関節拘縮例は病態が異なるため,同じ治療方法では改善しない可能性が示唆された.

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© 2015 日本肩関節学会
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