抄録
運動器の疼痛は侵害受容性疼痛(以下NP)であるが,一部に神経障害性疼痛(NeP)の関与が報告されている.肩関節鏡手術患者においてもNePの要素を持つ症例が存在し,術後の臨床成績に関与している可能性があると考えた.本研究の目的は肩関節鏡手術患者においてNeP患者が存在するかどうか,またその臨床成績を検討することである.鏡視下肩峰下除圧術(以下ASD)17例,鏡視下腱板修復術(以下ARCR)16例を対象とし,疼痛の評価には神経障害性疼痛の診断ツールであるPain DETECTを用いて12点以下はNP,19点以上はNePと判定した.術前と術後6カ月のVAS,JOAスコア,可動域を評価した.NePの要素を持つ患者がASD群で1例,ARCR群で3例存在した.術後の疼痛,機能はいずれの群でも改善を認めた.肩関節鏡手術患者においてもNePは存在し,術後の疼痛,機能はNPと比較して差は認めなかった.