抄録
鏡視下腱板修復術後のCRPS様症状は重要な合併症の一つとして認識されている.それらに対して術前後の因子について調査した.2010年1月から2014年3月までに鏡視下腱板修復術を施行された患者318肩を対象とした.CRPS様症状の基準は手指の関節拘縮,発汗の低下または亢進,腫脹,知覚異常のうち2項目以上を満たしたものとした.対象をCRPS様症状発症群と未発症群に分類し,その発症に関与する因子について検討した.術後CRPS様症状を呈したものは31肩(9.7%)であった.術前可動域は発症群と未発症群でそれぞれ屈曲131°と148°,外転106°と121°,内旋L2とL1であり発症群で制限されていた.JOAスコアは発症群で58.6点から87.9点,未発症群で64.4点から90.7点に改善したがいずれも発症群のほうが低かった.本研究では術前に可動域制限の強いものは要注意であると考えられた.