肩関節
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症例報告
肩関節垂直脱臼後に上腕二頭筋長頭腱が前下方に嵌頓し,
徒手整復不能で鏡視下整復術を行ったきわめて稀な1例
水野 泰行小林 雅彦船越 登森 大祐馬谷 直樹
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2016 年 40 巻 2 号 p. 746-749

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抄録
 肩関節垂直脱臼は比較的希だが,徒手整復は容易とされる.今回我々は肩関節垂直脱臼に対し徒手整復が施行されたが,上腕二頭筋長頭腱(以下LHB)が肩甲上腕関節(以下GH関節)に嵌頓し手術を要した一例を経験したので報告する.
 60歳男性,バイク事故にて右肩関節垂直脱臼を含む多発外傷受傷,救急病院にて徒手整復されたが拘縮状態となった.MRIにて腱板損傷を認め,LHBが前下方に脱臼しGH関節に嵌頓していた.関節鏡にても同様の所見を確認,LHBは整復不能のため切離し授動術を行った.リハビリ後2期的に腱板修復術施行,術後6か月で拘縮・疼痛ともに改善した.肩関節脱臼の徒手整復においてLHBが整復阻害因子となる例は稀であり,報告例ではすべてLHBがGH関節の後方により嵌頓する.垂直脱臼は主に過外転外力により発生するため,LHBは前方に脱臼する可能性が高く,今回の症例のように前方から嵌頓する可能性は否定できない.脱臼整復後はMRI等の精査が重要である.
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© 2016 日本肩関節学会
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