抄録
右投げと左投げの野球選手の間で肩関節回旋可動域に違いがあるかについて上腕骨後捻角の影響も考慮し調査した報告はない.本研究の目的は右投げ(R群)と左投げ(L群)の野球選手の上腕骨後捻角の影響を除外した肩関節回旋可動域を比較することである.対象は2013年から2016年にメディカルチェックを行った社会人と大学野球選手88名,R群57名,L群31名.原テストのCombined abduction test(CAT),Horizontal flexion test(HFT),肩関節外転位内旋角度,外転位外旋角度と上腕骨後捻角の左右差を計測し,上腕骨後捻角の影響を除外した内外旋(IR,ER)を算出した.HFTはR群で有意に陽性率が高かった.IRはR群では投球側で有意に小さかったが,L群では投球側と非投球側で差がなかったことからR群はL群より後方タイトネスが生じやすい可能性が考えられた.