抄録
肩関節内旋可動域減少(以下,GIRD)は野球選手に生じることが知られているが,その身体的特徴やリスク因子,および野球以外のスポーツに関する報告は少ない.今回我々はGIRDを生じるリスク因子について調査した.メディカルチェックを受けた中学生アスリートの内,オーバーヘッドスロースポーツ(OTS:テニス,ハンドボール,バドミントン,ソフトボール)群73名および非OTS群57名を対象とした.肩内旋可動域の左右差が15°以上ある者をGIRD陽性とし,陽性群と陰性群で背景因子(年齢,競技歴,身長の伸び),所属スポーツ群,全身弛緩性および下半身柔軟性について比較した.GIRD陽性者はOTS群で26%,非OTS群で5%であり,有意にOTS群で多かった(p=0.002).GIRD陽性群と陰性群で身体的特徴や背景因子に明らかな違いは認めず,オーバーヘッドスロースポーツ所属のみがGIRDに対するリスク因子であった.