抄録
濱田分類grade3以下で一次修復不能な腱板断裂に対して行った関節鏡視下上方関節包再建術(ASCR)(A群)と,grade4以上に行ったリバース型人工肩関節置換術(RSA)(R群)の手術成績を検討し,手術適応の妥当性について検討した.対象は,A群10例10肩,R群9例9肩であり,全例1年以上の経過観察が可能であった.肩関節自動可動域,日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(JOA score,X線所見・不安定性の項目を除く80点満点)を調査した.両群ともに術後自動可動域は屈曲,外転において術前に比し有意に改善し(p<0.05),JOA scoreも有意に改善した(p<0.05).本研究では手術適応が異なる両術式の優劣は比較できないが,少なくとも術後成績においてA群ではR群に比べ劣る項目はなかったため,RSAの適応とならない一次修復不能な腱板断裂の手術方法のひとつとして,ASCRは有用である.