抄録
肩腱板断裂に対して行ったテープ縫合糸を用いた鏡視下骨孔法腱板修復術の術後2年の治療成績を報告する.適応を1)初回断裂の中断裂で術中の修復に烏口上腕靭帯の切離や腱板付着部の内方化を要した症例,2)初回断裂の大,広範囲腱板断裂,および3)腱板修復術後の再断裂症例とした.術後2年の経過観察が可能であった47例(平均年齢66歳)を対象とした.手術は,ARTHROTUNNELER ™ を用いて,2-3個の骨孔にそれぞれテープ縫合糸を1-3本含む計3-5本の縫合糸を使用し腱板を修復した.断裂の大きさ,JOAスコア,術後2年におけるSugaya分類評価を検討した.断裂の大きさは中,大,広範囲断裂の順に9例,28例,10例,JOAスコアは術前65点が術後2年で93点に改善した.44例(94%)が一次修復可能で,3例が部分修復であった.一次修復例の術後2年のSugaya分類はtype1-5の順に31,9,2,1,1例であった.大,広範囲断裂症例の再断裂は部分修復を含めても38例中5例(13.2%)と頻度が少なく,術中に骨孔や腱板のカットアウトは生じず,有用な術式と考えられた.