抄録
2010年11月から2016年10月までに当科で一次修復不能な腱板広範囲断裂に対して鏡視下パッチ修復術を施行された70歳未満の26例(男性18例,女性8例)を対象とした.平均年齢は62.1歳,平均経過観察期間は32.1カ月であった.用いたgraftは大腿筋膜二重折16例,テフロンフェルトを大腿筋膜ではさんだhybridが8例,テフロン単独が2例であった.術前後のJOAスコア,屈曲,外転可動域は有意に改善を認めた.再断裂は6例(23%)に認めた.また,癒合群と再断裂群にて再断裂に影響を与える術前因子をロジスティック回帰分析にて検討すると,術前ER lag sign,小円筋の脂肪変性が挙げられた.予後不良因子のある症例を除けば鏡視下パッチ補強術は良好な成績が得られ,特に60歳未満の症例では成績が良かった.鏡視下パッチ補強術は,今後も一次修復不能な腱板断裂症例に対して選択枝の1つとなりえる.