抄録
一次修復不能肩腱板断裂(iRCT)と思われる63肩(平均72.9歳)で,自動前方挙上角度に影響する因子を調べた.X線での脊椎最大後弯角(KTA)は自動前方挙上角度に正の相関を認め(CR=0.34,P=0.0064),年齢,性,GFDI,腱板断裂形態は相関しなかった. 自動前方挙上角度100° 以上可能群のKTAは平均33.6° で挙上不良群の26.6° より高かった(P=0.0049).挙上制限のある例はお辞儀をすると69%で100° 以上挙上可能となった.脊椎後弯の強い例では,上肢下垂した状態で既に脊椎後弯角度分だけ体幹に対して前方挙上角度がついており,inner muscle(腱板構成筋)の筋収縮が必要な初期角度をすぐ越えるため,iRCTがあっても三角筋などのouter muscleのみの働きで挙上可能な症例もあり,RSAの適応に脊椎矢状面アライメントも考慮するべきと提案する.