抄録
鏡視下に一次修復を行った3腱断裂34肩の治療成績を,上腕二頭筋長頭腱(LHB)病変の重症度によって比較検討した.LHB病変を,損傷なし及び軽度損傷の9肩(A群),高度損傷の14肩(B)群,高度変性及び完全断裂の11肩(C群)に分け,A群はLHBを温存し,B群はLHBを腱固定した.3群間で腱板断裂サイズ,脂肪浸潤,術前後のJOA score,術後MRI(菅谷分類)を比較した.結果,肩甲下筋腱の断裂サイズにのみ有意差を認め,A群では他の2群より有意に肩甲下筋腱の断裂サイズが小さかった.MRIにおける再断裂率は,A群では再断裂はなく,B群では棘上・棘下筋腱が7.1%,肩甲下筋腱が7.1%で,C群では棘上・棘下筋腱が27.3%,肩甲下筋肩が18.2%であり,3群間に有意差は認めなかった.LHB病変の重症度と再断裂との関連は認めなかった.