肩関節
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筋腱疾患
拘縮を合併した腱板断裂例の臨床的特徴
若宮 みあり橋口 宏岩下 哲米田 稔高井 信朗
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キーワード: 腱板断裂, 拘縮
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2020 年 44 巻 2 号 p. 363-365

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抄録

 今回われわれは腱板断裂例において拘縮合併例と非合併例に分け,臨床的特徴に関して比較検討したので報告する.対象は鏡視下腱板修復術を施行した321例321肩とした.術前EUAにおいて挙上および外転90度,外旋30度,内旋腰椎以下を拘縮群とし,それ以外の症例をなし群とした.評価項目として2群間における年齢,性別,有症状期間,外傷歴の有無,糖尿病歴,喫煙歴,断裂形態に関して比較検討を行った.性別,有症状期間,糖尿病歴に関して両群間における有意差は認められなかった.年齢に関しては拘縮群で有意に低い傾向を認めた.外傷例は拘縮群と比較し,なし群で有意に多かった.喫煙例はなし群と比較し,拘縮群で有意に多かった.断裂形態に関しては不全断裂例を拘縮群で有意に多く認めた.活動性の高い年齢,非外傷例,喫煙者,不全断裂例で拘縮合併例が有意に多く認められ,治療にあたり注意を要する必要が示唆された.

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© 2020 日本肩関節学会
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