抄録
鎖骨遠位端骨折に対する治療成績と術後肩鎖関節亜脱臼について調査した.上記骨折に対し手術を行った59例を対象とし,固定法はtension band wiring(TBW)35例(T群),locking plate 21例(P群),その他3例であった.遠位骨片径,骨癒合時期,Shoulder36(Sh36),合併症, 肩鎖関節亜脱臼の有無と脱臼率を検討した.最終的に全例骨癒合が得られ,両群で遠位骨片径,骨癒合時期,Sh36に有意差は認めなかった.T群で4例(11%),P群で5例(24%)に亜脱臼を認め,亜脱臼率は64.8%と79.2%であり亜脱臼例の割合と亜脱臼率に有意差を認めなかった.合併症はT群で13例(37%)にK-wireのback outを認め,3例で早期再手術が行われ,P群で肩鎖関節完全脱臼を1例に認め,T群で有意に多かった.術後亜脱臼防止のため,烏口鎖骨靱帯の損傷に注意し必要に応じてsuture button等での追加固定を行う必要があると思われる.