肩関節
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筋腱疾患
肩甲下筋腱断裂に対してsuture bridge法により鏡視下修復術を行った症例の臨床成績と術後1年の腱板修復状態
藤澤 基之工藤 憂吉田 優作原 正文
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2021 年 45 巻 2 号 p. 279-282

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抄録
 肩甲下筋腱断裂に対する修復は,suture bridge法が他の方法より有利であるとされる.今回,肩甲下筋腱をsuture bridge法で修復した症例における手術前後の臨床成績と術後1年の腱板の修復状態を評価した.対象は,2013年4月以後,肩甲下筋腱の完全断裂に対して鏡視下にsuture bridge法で修復した症例で,1年以上経過観察が可能であった105肩とした.年齢は64.9 ± 7.1歳.肩甲下筋腱の単独断裂が4肩,上方断裂を合併した前上方断裂が101肩.肩甲下筋腱の断裂形態はLafosse分類でtype 2: 45例,type 3: 40例,type 4: 17例,type 5: 3例であった.これらの症例における臨床成績をJOA,UCLA scoreで評価した.術後1年の腱板修復状態をMRIで評価し,Sugaya分類のtype 4,5を再断裂とした.術後の臨床成績は,JOA scoreで94.2点に,UCLA scoreで33.3点に有意に改善した.術後の再断裂は,肩甲下筋腱に関しては3例(2.9%)であった.肩甲下筋腱修復に関して,多くの症例に対して調査した報告は少ない.今回の結果は再断裂率が低く,suture bridge法での修復が有効であった.
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© 2021 日本肩関節学会
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