肩関節
Online ISSN : 1881-6363
Print ISSN : 0910-4461
ISSN-L : 0910-4461
筋腱疾患
鏡視下上方関節包再建術における術後グラフト因子の検討
古屋 貫治松久 孝行鈴木 昌磯崎 雄一大澤 一誉田鹿 佑太朗田村 将希尾﨑 尚代筒井 廣明西中 直也
著者情報
ジャーナル 認証あり

2021 年 45 巻 2 号 p. 302-306

詳細
抄録
 一次修復不能な広範囲腱板断裂に対する治療には難渋する.鏡視下上方関節包再建術(ASCR)は良好な報告がされているが,術後グラフト断裂の危険性を術前に予見できれば,より効果的な治療計画が立てられる.今回,ASCR術後のグラフト断裂因子について検討した.当院で一次修復不能な広範囲腱板断裂に対してASCRを施行し,1年以上経過観察をし得た20例を対象とした.修復群9例,断裂群11例で,グラフト断裂は55%に認めた.両群間における患者背景,術前可動域,筋力,JOAスコア,ASESスコア,濱田分類,肩峰骨頭間距離(AHI)を比較検討した.断裂群は濱田分類が進んだ症例が有意に多く,AHIも小さかった.その他の患者背景に差はなかった.ASCR術後グラフト断裂は治療成績が不良となるため避けるべきである.術前に関節症性変化が進んでいる症例はグラフト断裂の危険性が高まる可能性があり,適応は慎重に検討すべきである.
著者関連情報
© 2021 日本肩関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top