抄録
大腿筋膜パッチ法を行った症例の臨床成績を検討し,成績不良群についてその特徴,問題点を検討した.対象は男性30肩,女性9肩の計39肩であり,平均年齢64.8歳であった. JOAスコアにおいて,Imaiらが報告した総計83点のカットオフ値未満を不良群とし,それ以上を良好群として比較した.JOAスコアの総計は術前平均65.1点から術後6ヶ月77.1点,12ケ月84.1点といずれも有意に改善した.不良群は12ケ月の時点では11肩に認め,術後6ヶ月におけるJOAスコアの機能,可動域の項目が良好群に比べ有意に低値であった.また同様に術後2‐12ヶ月における挙上可動域も良好群に比べ有意に低値であった.MRIでの再断裂率はJOAスコアの良好群,不良群それぞれ2肩ずつであった.大腿筋膜パッチ法は術後の機能改善が得られる手術法であり,良好群は術後早期から挙上可動域が良好に改善することが予想される結果であった.