抄録
一次修復不能な広範囲腱板断裂に対する術式の選択と術後成績を多施設間で調査,比較検討した.術後1年以上経過観察可能であった156名156肩(男性100名,女性56名,平均年齢67.1歳,平均経過観察期間24.4か月)を対象とした.部分修復術(PR)75例,筋前進術(DP)45例,上方関節包形成術(SCR)24例,棘下筋回転筋移行術(RIT)10例,パッチ移植術2例が選択されていた.各術式で術前後のJOAスコア,Constantスコアは有意に改善していた.各術式で術後成績に特徴を認め,JOAスコアとConstantスコアはPRとDPが有意に高かった.前方挙上はSCRとDPはPRより高値,外旋はPRとDPはSCR,RITよりも高値であった.内旋ではDPはPRとSCRよりも高位であった.以上のような各術式の特徴を理解した上で,症例に応じた術式選択を行うことが重要であると考えた.