抄録
鏡視下腱板修復術後に再断裂をきたした例に鏡視下大腿筋膜移植術を施行し,その臨床成績を検討した.対象は術後再断裂症例に対し施行した大腿筋膜パッチ法(PG)7例と上方関節包形成術(ASCR)5例である.両群を術前後での疼痛スケール,JOAスコア,可動域で比較した.また比較対照群として同時期に初回手術として施行した同術式の症例群とも臨床成績を比較した.結果は両群とも全項目で術後有意な改善がみられたが両群間で成績に有意差はなかった.また初回手術群と比較すると両群とも有意に臨床成績が劣っていた.術後再々断裂率はASCR群で低く,再々断裂をきたした症例は臨床成績が劣っていた.両術式とも一定の術後改善は見込めるがその改善には限界があると考えられた.術後再断裂への治療は困難で,さらなる研究,検討が必要であると考える.