抄録
投球の正面動画から肩水平内転運動の有無を評価し,プロ野球選手との比較と障害別で頻度を調査した.肩内旋制限19例,肘内側側副靭帯または内側上顆骨端損傷15例,上腕骨近位部骨端損傷11例の診断を受けた45例(平均15.5歳)を対象とし,投球動作を正面からデジタルカメラで撮影後,ボールリリース(BR)時の体幹と肩のなす角度,両肩と肘のなす角度,上腕と前腕のなす角度を画像処理ソフトで計測した.いずれの角度も障害別で有意差はなかった.障害群の多くはBR時に肘が前方に出る,かつ手を真上から投げ下ろす動作だった.正面画像で肩と肘が重なり上腕と前腕のなす角度が計測困難な症例は45例中34例であった.障害群はプロ野球選手と比較し両肩と肘のなす角度及び上腕と前腕のなす角度が有意に低下していたが,そこから肩水平内転運動が生じているかは断定できない.水平内転が起こるタイミングは投球の習熟度を示すと考えられた.