抄録
投球動作におけるゼロポジション近似肢位での肩外旋と肘伸展機能を評価するテストを考案し投球側,非投球側の代償運動の出現頻度を検討した.
対象は肩あるいは肘痛を有する野球選手37例74肩(平均年齢21.4歳)とした.ゼロポジション近似肢位での外旋筋力をみるZero外旋テスト,同じく肘伸展筋力をみるZeroリリーステストを投球側と非投球側で行った.徒手抵抗時に開始前の肘の位置が維持できれば代償なし群,維持できなければ代償あり群とし,代償運動の出現頻度を検討した.
Zero外旋テスト,Zeroリリーステストともに投球側で非投球側と比べ有意に代償運動がみられた.
Zero外旋,Zeroリリーステストの代償運動は投球フォームでの「身体の開き」,「肘下がり」などに関連していると考えられる.これらは肩肘への過負荷になる可能性があり,代償運動は障害への危険因子と推察する.