抄録
本研究では40歳以上の反復性肩関節脱臼(反復脱)の特徴と治療成績について検討した.鏡視下Bankart修復術を施行し術後1年以上観察できた27例27肩,平均年齢56.3歳を対象とした.合併損傷としては腱板断裂を11例に認め全例修復を行い,オフトラックの症例にはHill-Sachs remplissageも追加した.骨形態は正常4肩,骨片型10肩,摩耗型9肩でJSS-SISは術前40.5点から術後91.4点と有意に改善した.腱板断裂を認めた11例の術前JSS-SISは腱板断裂を伴わない症例の平均値より有意に低かったものの術後は同等まで回復した.40歳以上の中高齢者における鏡視下Bankart修復術は合併損傷も修復することで若年者に対する成績と遜色なく有効な治療法と考えられた.ただ術後に関節症性変化が進行する危険性を指摘する報告もあり,慎重に経過観察していく必要があると考えられた.