抄録
小・中腱板断裂に対する関節鏡下腱板修復術(ARCR)の短期臨床成績を関節鏡下肩峰下除圧術(ASD)併用の有無で比較した.ARCRを施行し1年以上経過観察可能であった小・中腱板断裂335肩を対象とした.ASD併用群(A群)が191肩,ASD非併用群(N群)が144肩で,平均年齢(A群/N群)は64.5 ± 9.6/63.7 ± 10.6歳(p=0.412),平均経過観察期間は24.8 ± 13.4/22.8 ± 13.3カ月(p=0.102)であった.両群間で術前後JOAスコア,UCLAスコア,Constantスコア,再断裂の有無を比較した.術前臨床スコアに有意差はなく,術後臨床スコアは,JOAスコア(A群/N群, 点):97.1/97.2(p=0.817),UCLAスコア(点):34.2/34.1(p=0.762),Constantスコア(点):96.8/96.3(p=0.369)といずれも両群間で有意差はなかった.再断裂率は,A群:7/191肩(3.7%),N群:9/144肩(6.3%) (p=0.221)と両群間で有意差はなかった.小・中断裂に対するARCRにおいて,ASDの有無で術後臨床成績,再断裂率に有意差はなく,ARCRの短期臨床成績に対するASDの効果は乏しいと考えられた.