抄録
本研究の目的は術前の肩関節拘縮が鏡視下腱板修復術(ARCR)の術後成績に及ぼす影響を調査し,後療法を検討することである.対象はARCRを施行し12ヶ月以上経過観察可能であった66例67肩である.拘縮判定基準は全身麻酔下で屈曲130度未満,外旋30度未満,健側より30度以上可動域制限を認めるもののうち,1つ以上を満たせば拘縮群(C群:17肩),基準を満たさない群を非拘縮群(N群:50肩)とした.C群にはARCRに先立ち授動術を行い,後療法は両群同様に行った.今回の調査項目は術後3,6,9,12ヶ月の自動屈曲,下垂位外旋,結帯の可動域推移と,術前・術後12ヶ月のJOAスコアとした.術後可動域は2群とも有意に増加し,2群間の可動域変化に有意差は認めなかった.JOAスコアは両群共に有意に改善し,術前の2群間の有意差は術後12ヶ月では認めなかった.以上より術前拘縮を伴っていても適切な授動術が行われていれば後療法に大きな影響はなく最終成績も同等であると考える.