抄録
今回我々が行った,一次修復不能な後上方腱板広範囲断裂に対する広背筋移行術(以下,LDT)術後成績について検討した.2年以上経過観察可能であった10例10肩(男性7肩,女性3肩)を対象とした.手術時平均年齢65.1歳,平均経過観察期間は31.8カ月であった.広背筋腱は大円筋腱を付着させずに採取し,三重折に形成し大結節外側に縫着した.LDTにより外旋可動域,筋力(患健側比)が有意に改善し,JOAスコア,Constantスコアは術前後で有意に改善した.外旋機能低下を伴う腱板断裂に対して有効な治療法である.しかし,筋力は健側比で50%程度までの改善であり,患者背景を考慮した術式選択が重要である.また術前に小円筋脂肪変性,肩甲下筋腱機能不全,腱板再断裂に対する再手術,大きなCritical shoulder angleを認める場合は術後成績不良となる可能性がある.