抄録
われわれは腱板修復術を行う際に,低緊張下で腱板断端を大結節まで引き出せない場合にDebeyre-Patte(DP)変法による筋前進術を併用した鏡視下腱板修復術(ARCR)を行っている.今回多施設におけるDP変法併用ARCRの術後成績と再断裂に影響を及ぼす因子について検討した.当施設および関連施設にて,大・広範囲腱板断裂に対して本法を施行し,術後1年以上経過観察が可能な症例を対象とした.臨床評価は自動可動域とJOAスコアを,画像評価はMRIから術前はGoutallier分類で脂肪浸潤を,術後はSugaya分類で再断裂を評価した.対象は150肩,JOAスコアは術前64.2 ± 12.1点から術後86.1 ± 10.3点に有意に改善した.再断裂率は23.4%で,再断裂に対する関連因子について多変量解析を行った結果,Goutallier分類grade 4の腱板を有するかどうかが最も影響を与える因子であった.