2025 年 49 巻 2 号 p. 356-359
本研究の目的は新鮮肩鎖関節脱臼に対する鏡視下2ルート烏口鎖骨靭帯・肩鎖靭帯再建術の短期成績を報告することである.対象は新鮮肩鎖関節脱臼に対して本術式を実施し,術後6ヶ月以上経過観察が可能であった15例15肩とした.検討項目は手術時間,最終経過観察時の肩関節他動可動域,術前および最終経過観察時単純X線での肩峰下面-鎖骨下面距離(ACD),鎖骨-烏口突起距離(CCD),ACD・CCDの健患差(ΔACD, ΔCCD)および健患比(%ACD, %CCD),矯正損失率とした.平均手術時間は102.7 ± 22.1 分,最終経過観察時の肩関節他動可動域は屈曲147.9 ± 6.5 °,下垂位外旋39.6 ± 16.6 °,結帯T12であった.ACD,CCD,ΔACD,ΔCCD,%ACD,%CCDは術前後で全て有意に改善した.術後矯正損失は3肩(20%)に認めた.本術式は,短期的には整復位を保持し得たものの,矯正損失率は従来手技と同程度であり,従来手技を上回る優位性を示すには至らなかった.