2025 年 49 巻 2 号 p. 481-485
近年,人工知能(AI)によるデータ分析の発展に伴って,医療分野でも多くのAIが使用され始めている.AI予測ツール「Predict+TM」は主に欧米の白人患者のデータを機械学習に使用しているが,欧米とは骨格の異なる日本人患者においても有用であるかは不明である.本研究は日本人患者のリバース型人工肩関節置換術(rTSA)後可動域におけるAI予測ツールPredict+TMの精度を検証した.術前の患者情報をPredict+TMに入力し,術後6,12ヶ月の可動域とsubstantial clinical benefit (SCB),minimal clinically important difference(MCID)の達成を予測し,予測値と実測値の相関およびSCB,MCID達成予想の精度を評価した.結果,術後6ヶ月の屈曲においてのみ中等度の相関を認めた.一方,SCBおよびMCID達成予測の精度は良好で,area under the curve - receiver operating characteristic(AUC-ROC)は全て0.8以上であった.これらの結果から,Predict+TMは日本人患者において具体的な可動域数値の予測には限界があるものの,SCBやMCIDの達成可能性を予測するツールとしては有用性が高いことが示唆された.