肩関節
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治療法
ラグビー選手の肩前上方不安定症に対する保存療法有効因子の検討
仲見 仁藤井 貴広廣瀨 毅人中井 秀和田中 誠人
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2025 年 49 巻 2 号 p. 501-504

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抄録

ラグビー選手の肩前上方不安定症(asUPS)に対する保存療法において,症状改善と競技復帰への影響因子を検証した.初診でasUPSと診断されたラグビー選手21肩(全肩男性,19.1歳(16-25歳))を対象とした.関節内ステロイド注射と肩甲骨周囲筋強化を行い,症状改善後6か月間競技継続可能であった症状消退群17肩と,改善せず競技継続困難で手術に至った非消退群4肩の2群間で関連因子について比較検討した.単変量解析にて,復帰に要した期間6.4±0.9週vs7.8±1.3週(p=0.048)と復帰時の前鋸筋筋力4.5(四分位範囲3.75-4)vs4(3.75-4)(p=0.003)で有意差を認めた.この2項目でロジスティック回帰分析を行い,前鋸筋筋力が独立した有意因子として抽出された.非消退群4肩は手術となり,うち3肩が術中診断で前上方以外の関節唇損傷の併発を認めた.ラグビー選手の肩前上方不安定症における保存療法では,前鋸筋の筋力回復と,症状改善および競技復帰との関連性が示唆された.

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