抄録
九州歯科大学口腔保健学科では,4年生が歯科衛生士国家試験(以下,国試)受験後の翌日,国試の自己採点を行う とともに,国試や九州歯科大学の国試対策に関するアンケート調査を行っている.このアンケート調査は1期生(平 成26年度卒)から聴取しているが,国試対策に対する学生評価を教員間で共有する目的で,著者が保存している5期 生25名,7期生26名,8期生24名,9期生23名,合計98名の回答を分析した.質問項目は,1.国試の難易度,2. 九州歯科大学の国試対策,3.総合演習試験,4.直前集中講義,5.今後,国試対策として大学が行った方がよい もの,6.後輩に伝えたいこと,7.全体を通して大学への要望・希望,8.学内における模擬試験の最終順位,9. 国試勉強の開始時期,の9項目である.1.国試の難易度については,55.1%の学生が総合的にみて難しいと回答し, 基礎問題が難しいと答えた学生が最も多かった.2.大学の国試対策については,総合的にみて役に立ったと回答し た学生は76.8%, 役に立たなかったと回答した学生は5.3%で, 特に4年次の模擬試験,DHS(Dental Hygienist Section)予備校講義,直前集中講義,総合演習系講義は80%以上の学生が役に立ったと回答した.一方,講義室の使用に関する評価が低かった.これらの結果は自由記述のテキストマイニング結果と一致していた.以上より現行の国 試対策は有効と判断できるが,さらに学生の満足度を上げるために改善を図る必要がある.