抄録
学習者が直接対象に近づくことができるラーニング・メソッドであるオブジェクト・ベースト・ラーニングの具体的実践例を提示して分析し、その可能性を考察する。
OBLの方法論をふまえて開発されたワークシートを用いた実践は、作品(モノ)に直にアプローチできる方途を示すとともに、学習者自身が自らを理解し、発展させることにつながる点が重要である。学習者は主体的な言語化と段階的な作業によって、オブジェクトを介したコミュニケーションを実現し、アクティブな学びを実現していることが検証できる。しかも、その工程を通して、対象とした作品の本質にも迫っているのである。更に、この方法は未知の作品(モノ)にアプローチするツールとしても機能することが示唆できる。