The KeMCo Review
Online ISSN : 2758-7452
Print ISSN : 2758-7444
研究ノート
「土」をつくりながら:アート文脈における発酵文化の覚書
長谷川 紫穂
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 2 巻 p. 148-160

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抄録
2023年夏、アーティストの三原聡一郎によるコンポスト装置がKeMCo館内に現れた。有機的循環にアプローチする三原の作品や思考は、慶應義塾中等部とKeMCoで進行中のSDGsプロジェクトで共有され展開し、その一環として「土をつくる」ことをはじめるに至った。近年、ごみの削減や資源の循環といった持続型社会への課題から家庭でできる取り組みとしてコンポスティングは広がりをみせる。また、新型コロナウイルス下の経験により、目に見えない存在による目に見えるインパクトやサイクルへの関心が強まり、微生物の分解による堆肥化や発酵の文化へ目を向ける動向は、アートをはじめとしたカルチャーの文脈で顕著である。本稿では、土にまつわる近年の作品やアート・アクティヴィティについて記し、「土」との(創造的)関係を結ぶ上でのプレサーベイとしてKeMCoでのコンポスト過程を報告する。
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