2024 年 59 巻 2 号 p. 62-66
走査電子顕微鏡(SEM)により試料表面の局所領域で生じる高速現象を可視化することを目的として,Schottky電子源並みの高輝度特性,冷陰極電子源よりも狭いエネルギー幅,最短ピコ秒幅のパルス電子線が得られる高輝度単色フォトカソードを電子源とするSEMを構築し,ポンプ-プローブ法を応用した時間分解計測の原理検証実験を行った.ファンクションジェネレータとフォトカソードの励起光源を同期して周期30ナノ秒(周波数33 MHz),電圧振幅0~+5 Vの正弦波形の周期電圧を試料に印加し,150ピコ秒幅のパルス電子線を試料に照射するタイミングを制御してSEM像を取得した.二次電子像で特徴的な像コントラストを呈するAlTiC基板を試料として表面電位の時間変動をSEM像として計測し,ナノ秒の時間分解能とnmオーダの空間分解能を両立した計測が可能であることを実証した.